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キンチョーの夏、姑獲鳥の夏(2)

姑獲鳥の夏前回できなかったので、要点について詳しく述べる。
要点が変わっているというツッコミは無しの方向で。

一、前半一時間が拷問。
兎に角、話の流れに起伏が無い。退屈。
第一、事件として何が起こってるのかよく判らない。20ヶ月妊娠してて旦那が行方不明で、後看護婦が死んでて子供が死産なのに親が返せって言って来てて久遠寺家は憑き物筋の家系だと言われてるという事は判るのだけれども、その全ての事件の謎・曖昧・深刻・妖しさ・関連性が伝わって来ない。何がいけないのかは判らないが――演出の問題?
詰め込みの為か、話があちらこちらにぽっぽこぽっぽこ飛ぶし、シーンの中心人物がコロコロ変わるので、話に集中する事が出来ない。木場修も何の説明も無く出て来るから、知らない人は「――誰是」となりそうだ…しかもそれがかなり話が進んでからじゃないと誰だか判明しない――関口・京極堂・榎木津の知り合いらしいというレベルの判明だけれども。もどかしいのでそっちが気になって集中できない。わざと?
わざとだとしたら、2、3回見ることを前提として作ってあるのだろうか?…いや、それはダメだろ。それは1回目見て、2回目3回目も見たいと思う造りじゃないと成立しないよ。寧ろ2回目3回目に見て判る事は、見た人へのボーナスポイント位に留めるべきだ。1回しか見られない人はどうしろというのだ。(←それは貴方の好みの問題でしょう)
てか、原作のポイント、ポイント、ポイントを持って来たのだろうが、それらが纏まってない。
正直な話、初めの一時間は「――これをヒットしろというのは無理な話だろう」と思いながら見ていた(鬼)

二、幾ら正解でも式が無いと先生マルあげられないぞ。
退屈な前半を我慢して後半に入ると、京極堂の憑き物落としが始まる。おっちゃん頭ボサボサやぞと思いながらこれまた今一だなぁと見ていると、それが終って謎解きが始まる。
前半のフォローではないが、謎解きはがぜん面白かった。関連性の見えない事件が全て繋がってたのだねぇと思えた。
が、しかし、京極堂何を根拠に答えを導き出したのか全く判らない。何だお前はエスパーかそれか初めっから全部知ってて黙ってたのか将又12年前から久遠寺家と牧郎をストーキングしてたのか!(これが一番信憑性があるな、と思える辺りが――)
大体、何で京極堂が牧郎の日記持ってるんだという説明も無い。関口が久遠寺から持って帰って預けた…?位しか想像の仕様が無い。内藤と梗子の関係も唐突に出て来たし、その他諸々もう何か色々と唐突だ。それを導き出した式は何処ですかそして12年前関口が何をしたか何で知ってるんですか同室だったから?やはりこれは12年間関係者をストーキングしてたという方向で。怖いな京極堂…元々全ての元凶がこの男だしな。関口以上に、動くと碌な事に為らない男、京極堂。なのに偉そう(笑)

三、悪い役者を揃えてる訳じゃないのに、どうにも演技がほぼ全員不自然に見えるのは何故?
それにしても、配役を見ても、悪い役者を揃えてる訳じゃない。皆一流と言って良いレベルの人々だ。
なのに何だろうこの違和感は。
自分の作品キャラに持つイメージ云々問題は横においといても、何故こう、皆、大根役者に見えるんだ。
昭和という時代設定による聞き慣れない言い回しの多用がそういう印象を持たせるのかもしれないが、下手に有名役者なだけに、役者自身が持つイメージも強過ぎるのかもしれない…となるとそういうイメージを持ってる自分にも問題があるのだけれども、それにしたって何だろうこの不自然な演技は。
思うに、役者を無理矢理キャラの型に嵌めてる様な印象を受ける。初めに撮りたい設定有りき、それに沿う様行動(演技)してるというか。その所為か、動きも不自然。涼子が温室でフラッ関口ダッシュ二人ギュッとかのシーンとか、動きの余りの不自然さに失笑、学芸会かと思っちゃった、エヘ☆(←可愛く言ってもダメです) 
てか、人形、そうか人形劇だ。人間を使った人形劇に見えるんだ。誰がやっても同じだろレベルの演技、役者自身が全然生きてない。個性を持った生きた人間を使った意味があるのだろうか?

四、いしだあゆみが全部持ってった。
そんな中、一番光ってたのが母親役のいしだあゆみ氏。
凄いなぁ、全然演技に違和感が無い。昭和だ。確かにこの人は昭和27年だ。そして怖い。唯一怖い。全員このレベルだったら良かったのに(←恐怖映画になりますよ?)
しかしこれは、私がこのキャラとこの人に対する役者イメージを持ってないからそう感じたのかもしれない――と思うと、いっそ全員無名役者でやった方が良かったんじゃないかとも思う(←ってそれじゃ客呼べませんよ)

五、監督、良くも悪くも昭和テイスト。
てゆかこれは個人的嗜好に左右されるのだろうけれども、監督の技法。
兎に角正面アップ長撮りとピンスポット演出が多い多い。全体的に、リアル感を出すというより、演劇舞台上みたいな演出が多い――ピンスポットもそれに属する気がする。リアルが足りない。本当に昭和昔の古い演出、室内撮りががっつり判る映像、監督の味と言ってしまえばそれまでなので、もう後は見る側の好みの問題なのだろう、ほんとに。すみません正直自分は肌に合わない。
個人的な好みを言ってしまえば、昭和テイストは映画の撮り方ではなく映画の映像で出して欲しかったし、実写姑獲鳥演出もどうかと思いますのよトホホ。あと目がチカチカして大変。
後、一体誰を視点に物語が進んでるのかも判らない。例えば、書斎の謎の判明が衝立バターン演出で判明されるのに、その後の廊下での関口発言は――「何言ってんだこいつ」と観客も思ってしまう。この時点で関口視点を切っているが、その後矢張り観客を導いて動くのは関口。一体何を中心として見れば良いのですかこの映画。柘榴?(←違います)

六、昼なのか夜なのか晴れてるのか曇ってるのか嵐なのかはっきりしてくれ。
そして演出の一環なのだろうが、昼なのに突如真っ暗になる部屋、稲光ビカビカビカ、しかし外の天気は快晴、家に戻ると部屋電気煌々、外走ってるうちに空真っ暗。なんだこの時間軸。ピンスポットの為に外歩いててもすぐ真っ暗になるし…うーん。
そのシーンに合うように自由自在に空模様と光度が変わるミラクル環境。リアリズムは無視。
…これも見る側の好みの問題になるのだろう。思考放棄。

七、隠れテーマは「日本の警察は無能です」?そして明らかに説明不足。
脚本、というかストーリーの流れ、というか他にも、色々と無理というか…おいおいそりゃ無いだろうというか。
キャラ的にもなんだかなぁとか、まぁ色々。とりあえず箇条書き。
・敦っちゃん、それは昭和のまゆげじゃない。てか刺々しいよ敦っちゃん。かわいくないよ。
・紙芝居屋に因縁つけて追いやらっちゃう木場修――それじゃチンピラだよ。お小遣い払って紙芝居見てた子供達の立場は?
・てか子供相手にそのエロ紙芝居はどうかと思いましたが。如何にエログロナンセンスの時代とはいえ。
・赤ん坊を他所に移してなかったのは原作でもあったので「あ~あ」で済んでも、厳重な警備をしてた筈なのに暴徒にあっさり乗り込まれちゃうとかさくっと放火されちゃうとか、畳み掛けで物凄い勢いでダメっぷりが強調されてしまう警察
・おーい、梗子さんどーなったー。
・おーい、内藤どーなったー。そういや内藤への呪いもサラッとしたものだった。内藤が怖がる根拠が判らない。
・京極堂、人の首根っこ捕まえるの大好き。
・何故か皆、京極堂に首根っこ捕まえられると大人しくなる。全員猫!?
・頭ガンガンされた割には綺麗な頭の書斎の人。
・なんで部屋がそんなに涼しいんだ。牧郎さんは先立ってクーラーの開発をしましたか。
てか先輩なのに君達牧郎牧郎と呼び捨てにしすぎ。
・そんな旦那別れちゃいなさい雪絵さん、と本気で思った(みのもんた?)
・榎木津、左目だけにある隈メイクが気に為る。幾ら左目がアレだからって…
・京極堂の音撃、鈴と判明(←違います)
・京極堂の憑き物落としの服装、臙脂色なのはまぁ良い(映像色バランスとして)けど――袷に白色を入れちゃダメだろ。幾らなんでも。何か、「ちょっとお洒落してお出かけです☆」に見えるよ白が入ると。
・「何十年も黙ってたんだ!」って、関口――お前等一体何年の付き合いだ。君達三十代前半だろ。そんなレベルで幼馴染とは知らなかった。てかふっかけすぎ!冷静になろう。

八、好きなシーンが無い訳じゃない。
――元使用人の所に木場が榎木津連れてく場面で、「気が勧まない」と渋ってる自分より頭一つでかい榎木津を後ろから突き飛ばして「良いから行け」と凄む木場。この1秒でアットホームダッドとは違う二人の関係性を表現してるのは良い。それに、それ迄の阿部榎木津キャラが「扱い難いちょい怖めな人」なカンジだったので、ギャップが面白かった。榎木津が微笑ましいキャラだったのは、この渋々家に入った場面一瞬だけだ。
てか私がこの漫才幼馴染コンビが好きなだけですね。私情が入ってますかそうですか。(←帰れ)

九、結論として、
初めの一時間は只管我慢、謎解きに入ったら細かい事は気にせず「は~そうなんだ~」と鵜呑みにする。エンディングロールの最後で笑う。是最強。
真剣に見ても今一、ネタ映画として見ても――ネタ映画になりきれてないなぁ。どうせならもっとはっちゃけて欲しかったなぁ。阿部寛とか堤とか宮迫出てるんだから、もっとめちゃくちゃにしても楽しかったのではないかなぁ、却って。もうファンが「すみませんごめんなさいもうやめてください」って泣くくらい(←誰が喜ぶんだそんな映画)
あと作家先生に関してはスルーさせて頂きます。


――見に行って良かったのか悪かったのか、微妙だ。非常に微妙だ。
まぁやっぱり、京極堂は関口という友人を大事にしてるよねぇというか頭オンリー関口だよねぇ君の額に米マークが見えるよ(幻影)というか。憑き物落としも久遠寺家を救うんじゃなくて関口救う為じゃんみたいな。お前等仲良過ぎです。怖いよ。蚊帳に友愛を感じましたよ。
…この映画からでは、関口にその価値があるのか理解に苦しむが。
てか基本的に京極夏彦の小説は怖いくらいに主要人物の友情が凄いよ。齢三十何ぼにして三十年来仲良しという恐ろしい設定も平気で出て来るし。夫婦同士で旅行に行ったんなら夫婦で部屋取って下さいよとか。正気に戻って下さい。バカだ、君はバカだ(byK「こころ」)
そして全員女の人に対して引け腰、つか女性陣強すぎ。
是京極小説基本設定也。

――とりあえず原作読み返そう。


>>>「姑獲鳥の夏」公式サイト

京極 夏彦姑獲鳥(うぶめ)の夏

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