読了@「眠れない一族」

最近テレビ番組で、脳についてのスペシャル番組をやっていたのですが、それの後半で、ほんのちょこっとだけ時間を割かれて紹介されていた病気がありました。

ある一族が持つ、遺伝的に伝わる病気で、突如眠られなくなりやがて衰弱死するという、発病すると100%助からない病気です。

で、これについての本を、そういえば以前読んでいた事を思い出しました。

眠れない一族―食人の痕跡と殺人タンパクの謎

大分前に読んだ為、記憶があやふやなので、話半分くらいに読んでもらえるとありがたいですが、

すんごく簡単に言うと、遺伝性狂牛病人間版です。
プリオン病です。
確か、ある突然変異したタンパク質が、機械的に、自分に隣接するタンパク質を自分と同じ形に変えちゃう病気です。
変えられたタンパク質も、自分に隣接するタンパク質を自分と同じ形に変えちゃいます。
だから、正常なタンパク質がドミノ倒し的にどんどん変異しちゃって、使えなくなります。
それが脳で起こります。
そうすると、脳機能が停止しちゃいます。
確かそんな感じの病気です。

これが不思議なのは、ウィルスとかガンとかは生物(細胞)が自分の分身を作るいわゆる生殖行動なのに対し、タンパク質は物質であって生物ではないのに周囲を自分の複製にしてしまうという部分です。
例えば、突然変異した鉄の横にアルミ置いてたらアルミが鉄になったという不思議現象。
まるで錬金です。
未だにどうしてこうなるかという原因は解明されてません。
だから、このタンパク質を体内に取り込むという事が凄くキケンなわけです。
そしてやっと狂牛病の怖さを知ったのでした。
道理で当時あれだけ騒がれた訳だ…!

タンパク質が変異した要因は、品種改良による近親交配だとか同種喰い(例:羊のエサに羊肉混ぜたりしてた。戦争で敵の大将の死体を以下略、身内の葬式で遺体を以下略)だとかじゃないかと言われてるみたいですが。(この辺りが、書名の「食人の痕跡」の部分)
人間にも似たようなクールー病というのがあるのですが、これも上記が原因じゃないかと言われてますが如何せんかなり昔に未開地を調査した結果だから偏見っぽいなと思ったけどここでは沈黙。

で、プリオン病にかかりやすい(ホモ)とかかりにくい(ヘテロ)があるのですが、日本人は殆どホモだって!こわいよ!ヨーロッパはほぼヘテロだそうです。
日本人は輸入物に気をつけなきゃならないって事だろうか。
うーん、でも輸入肉食べちゃう…

それで、この本にある「眠れなくなる病気」は、あるイタリアの一族に代々伝わる病気なのですが、50歳位を超えた頃から自律神経が失調して、激しい発汗、睡眠障害、最終的には全く眠れなくなり衰弱死してしまう病気です。発症したら100%助かりません。
医者にかかっても、ほぼ100%「原因不明」で終了します。
働き盛りに家長が死んでしまうという事態が多かったので、初めは隆盛を誇っていたこの一族も今は厳しい状況だそうです。

で、私が一番怖いなと思ったのは、
こんなはっきりと怖い病気なのに、何故今まで研究も対策も補助もされてないのか、という理由が。
この病気が発症してるのは地球人口60億人の内100人程度、しかも同一族内――
高い予算を出して研究して特効薬を開発しても、儲からないからです。
だから企業は動きません。
もうからないからです。
政府も動きません。
ジェレミ・ベンサム の「最大多数の最大幸福」だからです。
もし自分がこの病気にかかっても、誰も助けてくれないって事です。
こわい。
ガクブル。


この一族の人は、「次世代に遺伝を繋げない努力」をされてるそうです…


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