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読了「戦争における人殺しの心理学」

久々の知識本の読書!



おもしろ!
おもしろ!
てっきり、「兵士はこういう風に訓練されて戦場ではこんな風にヒャッハーです」という話が始まるのかと思って読んでいましたが、これは良い意味で裏切られました。

「第二次世界大戦までは、敵に向かって実際に発砲した兵士は全体の85%に過ぎなかった」とか、

「戦場では、自分が死ぬ危険に晒される事より、人を殺さないといけない事に対して兵士はストレスを受け、精神的戦争被害者(軍隊生活のストレスが原因で心身の衰弱を経験する事)になる」とか、

「自分の生命の危機に瀕しても、相手の殺害する事を回避しようとする」とか、

どんだけ人間愛しいの…!
バカ!かわいいな人間!(何目線なのか)

要するにこの書は、裏書から抜粋すれば、「心理学者にして歴史学者、そして軍人でもあった著者が、戦場というリアルな現場の視線から人間の暗部をえぐり、兵士の立場から答える。米国ウエスト・ポイント陸軍士官学校や同空軍士官学校の教科書として使用されている戦慄の研究所」とのことだ、が、読んでも読んでもどこら辺が暗部でどこら辺が戦慄なのか解らない。
だめだ希望しか見えねェよ…おやっさん。

こんなカンジで本能的に人間は人間を殺すことを回避するように出来ています。
ので、国が、兵隊が敵を殺せるようにどうするかというと――

1.相手は人間じゃないよ~クズだよ~獣だよ~物だよ~と思わせてあげる(例えば相手は劣等人種だとか東洋人と呼ばずにグックとか日本人と呼ばずにジャップとかニップとかドイツ人と呼ばずにクラウトとか)
2.権力(上官とか)によって「そうしなさい」って命令してあげる。
3.仲間の期待に答えたいって思えるようにしてあげる。
4.戦争に大義名分があれば尚良し(例えば先に攻撃されたとか)


そりゃ戦争時に略奪だの強○だの起きるよ!
だってそのレベルまで相手を人間だと思わないようなクズに堕とす教育しないと、戦場で相手を殺せないなら!
本によれば、ロシアでは略奪が認められてたものだから、2次で占領されたベルリン大変な事になりましたとの事。ベルリンだけでロシアとの混血児10万人とか。
(アメリカ人が作者だから、ロシアに対して厳しく書いてるってのもあるかもしれないが)
人種違うとことの戦争だったら、より1がやりやすそうですね。

でも、逆に、ここまで洗脳しても、まだ相手を撃てる兵士は10~20%な訳です。
人間ェ…!
(更にこの内2%は1~4が無くても人を撃てる攻撃的精神病質人格です←悪い人って意味じゃないよ←ハリウッド映画の刑事とかは全部これw)

おまけに、戦争が終ったら皆自分のした事に気付いて「うわあぁぁぁ」となってストレスによってやっぱり精神的戦争被害者になっちゃいます。
だから、

・戦場から引き上げる時には兵士みんなで「辛かったよね…」ってグループセラピー
・帰って来たらすぐに国を挙げて(凱旋パレードとか勲章とか)「君たちは悪くナイヨ~国のために良くやってクレタヨ~」
・家族が「あなたを誇りに思うわ云々」


をやってあげます。
にんげんェェ……!

ちなみに、精神的戦争被害者になる度合いは、「接近戦経験者>遠距離戦経験者」です。
歩兵vs歩兵とか、戦闘機vs戦闘機とか相手と目が合う=相手が人間だと判る戦闘だとてきめん。
逆に海戦とかは「相手=船≠人間」なのでなりにくく、市街に爆弾を落とすだけの爆撃機のパイロット(相手=街≠人間)やモニターを見ながら遠くに爆弾を飛ばす担当の人(むしろもうゲーム感覚)はなりにくいとか。
陸軍より海軍のが勇敢だからなのですエリートだから!とか、そういう話じゃないって事ですね。
街に焼夷弾落としても原爆落としても、落としたパイロット自身はそんなに心に傷受けてないのもそういう作用の所為らしいです。

そんなこんなの発砲率も、ベトナム戦争時には脅威の90%になった訳ですが、
これは、上記1~4に加え、兵士に以下の訓練もしてあげたからです。

5.パブロフの犬みたいに、頭で考える前に条件反射で動く人型のものを撃てるようにしてあげる

結果、もう、こどもとかおんなのひととか、撃っちゃうよ動いてるからww
しかもゲリラ戦でどこまでが民間人で何処までがゲリラかわかんないからwww
精神的戦争被害の予防のためだってクスリとか兵士に打っちゃってるしねwwww
もうベトナム戦は本書によれば兵士にとても優しくない戦争。

・任期1年で行ったり帰ったり入れ替わりが激しいから、兵士の間で仲間意識育たない。
・育っても直ぐに相手が帰っちゃうor死んじゃうor自分が相手を地獄に置きっぱで帰っちゃう。
・古参兵が居ないので、精神的に支えてもらえない。
・バラバラに帰って来るので、兵士同士の集団セラピーとか当然無し。
・バラバラに帰って来るので、帰国凱旋という国からのフォローとかも当然無し。
・むしろ戦争反対派に唾掛けられる。
・色々ニュースが伝わって、ベトナム戦参加=悪魔みたいなカンジになっちゃってて、家族は冷たいし婚約者も逃げてる。フォロー?何それおいしいの?
・おまけに戦争自体に負ける(アメリカ側から見て)


おかげでベトナム帰還兵、ご存知の通り悲惨な事に。

兵士は国に1~4、そして5をされて、命令された事をやって来ただけです。
勝った負けたで扱いが変わるとか、変な話に感じて来ます。
かといって、そうしむけた国が悪いかっていうと、それもまた違う気ががします。
人が人を殺せるようにするには、そう洗脳するしかないからです。
つまり、普通の人間を、相手は人間じゃないから殺して良いって思い込ませて、人殺しをさせるのが戦争ですよって話の様です。

むしろ逆に、相手を人間だと思ってるのに、どうして恨みも何も無い相手を殺せるっていうの。
2%を集めた集団で無い限り、それが出来てる軍隊の方が下手したら狂ってる。
それが戦争なんですよ?

――という本でした(多分)

あ~となると戦争やっぱ割に合わないなーそんな洗脳された相手にひどいことされるのもヤだし、逆に洗脳されてひどいことするのもヤだなー。
え、なに、ひょっとして、国による洗脳が始まったら戦争の前触れってこと?ヤダー。
とにかく、そこまでやらないと、普通の人は恨みも何も無い相手を殺せませんってお話でもあると思います。
ちょっと、人間というものに対して希望が。性善説w

おまけ。
遠くからライフルを撃ってくる敵より、刃物を振りかざして突進してくる敵の方が、人間は恐ろしく思うという話も面白かったです。
後者の方が、より自分個人に対する悪意・敵意・害意を感じられて精神的に「来る」からだそうです。
だから、町に飛行機で爆弾を落としても、相手の怒りは買っても相手の戦意を落とす事は出来ないとの事。一般市民を殺すだけだし、彼らの住む場所を奪われる事に対する怒りは凄まじい。しかも攻撃してくる相手は自分に対して憎悪を向ける生身の人間ではなく、機械的に爆弾を落としてくる飛行機。このクソ飛行機がオラオラ!とはなっても、うわーん飛行機様に降伏します~とはならない。
――って、え、ちょ、じゃぁ、あれやそれやの空襲なんだったの…って話になるんですがw笑い事じゃないが。

遠距離攻撃しても相手の怒りを買うだけ、でもこちらの精神的戦争被害者は減る。
今後、遠距離戦が増えそうな流れですが、これはジレンマですね。

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