映画「バット・ブロマンス」見ました。

バッド・ブロマンス

内容(「キネマ旬報社」データベースより)
ジェームズ・マースデンとジャック・ブラック共演によるコメディ。何ごともパッとしないダンは同窓会を計画するが、同級生たちは無関心。そんな時、同じ演劇部だったオリバーをTVで見掛け、彼がスターになったと勘違いし…。


個人的に面白かった度★★☆☆☆
人と見て無難度 ★★★☆☆
ブロマンス度 ☆☆☆☆☆


ブロマンスじゃない。(重要)

映画バットブロマンス

ジャック・ブラックが主演という事と、明るく楽しげな表紙と、ブロマンスというタイトルで、「高校時代の時は立場は違って仲良しじゃなかったけど実はお互い気になってて、今回凄く仲良しになって家族が切れちゃうとか色々アクシデントはあっても最終的に良い距離感を掴んでいくおバカコメディ」なのかな?と思いましたが、全然違いました。
字面だけ書いてると「あれ?そういう話だった気が…」と思えて来ますが、否、やっぱり全然違います。

そもそもブラック・コメディらしいのですが、コメディというには、イタイし重いしシリアス寄りです。

どうやら原題は「THE D TRAIN」(主人公の名前)で、ブロマンスのブの字もありませんでした。
確かに、物語の焦点は「2人の関係性」じゃなくて「主人公の葛藤」なので原題の方が分かりやすいです。
タイトル詐欺!というより、多分、日本の販売者がブロマンスが何か良く理解してなかったのか、ブロマンスとボーイズラブを勘違いした上で男同士でそういうシーンがあるならブロマンスつけとけと思ったのかのどちらかです。
DVDパッケージの煽り文句が「おじさんがおじさんに恋をした?!」でしたが、恋の時点でブロマンスじゃないというのはもう横に置くとしても、恋をしているかどうかも微妙…?
恋といより、主人公のダン(ジャック・グラック)は、オリバーに特別に扱われたと勘違いして、今まで貯めこんでた承認欲求が一気に満たされてしまい、結果それが暴走してしまったように思いました。

そもそもダンは、高校時代からパッとしなかったと自分で思っています。だから承認欲求が人一倍。
しかし物語をよく見てみると、「高校時代にパッとしなかった」層の中ではリーダー的存在です。
現在も、会社のボスの覚えも良く、親しげに話せる間柄です。
どうやら高校時代にこちらは結構人気者だったらしい奥さんと、結婚もして子どももいて仲良し家族。
家も建ててます。
「鶏口となるも牛後となるなかれ」の鶏口です。
自分で思ってるより、成功組です。
でも、高校時代にパッとしなかったという事がずっとトラウマにでもなってるのか、そこで心にポッカリ穴が開いています。

一方オリバーは、高校時代はヒーローでした。皆に好かれて尊敬されてどこに行っても人気者でモテモテ。
そこから役者を目指して都会へ繰り出しましたが、今はパッとしない俳優です。
俳優をやってるのに誰も彼を知らない、未だに独身、住んでる家はボロアパート。
高校時代がピークだったと自分でも思っています。
高校時代には感じなかった承認欲求を味わっています。

そんなところに、オリバーを売れっ子俳優だと勘違いしたダン(成功者)がやってきて、勘違いしたまま憧れの目でチヤホヤされちゃったかららさあ大変。
オリバーの承認欲求は一気に満たされて、2人でお酒飲んで大麻もやっちゃって完全にふたりともハイになって盛り上がっちゃったオリバーは、バイだった事もあってダンを押し倒して朝チュン。

どうしてこうなった。(この時点でブロマンスじゃない)

一方ダンは、朝に正気に戻って大混乱。
しかしこの事件がいつの間にか「ヒーローのオリバーに特別扱いされた」という思考に切り替わって、高校時代からの承認欲求が一気に満たされてしまい、「オリバーの特別」という事にすごい執着をし始めます。
ダンが男なのでここら辺の流れが理解し辛いのですが、ダンが女だったらと仮定したら悲しいかな解り易いし、より恋ではない事もわかります。
ラストでもわかりますが、「ヒーローの特別」である「自分」に執着していて、悲しいかなそれはオリバーじゃなくても良かったのでした。

一方オリバーは、同窓会に参加するために地元に帰って来て、高校時代のゴールデンタイム再来。
皆、彼を知っていて、彼を好きで、人気者です。
地元に帰ったオリバーは、彼に執着する(成功してる)ダンには、高校時代宜しく目もくれなくなります。ダンの家に世話になってるのに他の友だちと遊びまくります。その割にダンの家族に親しげに接します。
不自然です。
オリバーにとって、自分に執着するダンを無視する事が、一番承認欲求を満たしてくれるのでした。

この辺りが「ヒーローに執着するダン」と「その執着を無視する事でよりヒーローになれるオリバー」という負のループです。
主にダンに大ダメージ。ダンのHPはもうゼロです。

これ、フツーに承認欲求がテーマでは。
それからの卒業が課題では。

最終的にダンは、フツーに家族と元に戻りますし、自分が与えた会社の損失も穴埋めする有能さも見せちゃうし、自分の承認欲求も自覚し、オリバーじゃなくても良かったんだなあと納得し、同窓会についても色々あったけどやって良かったよねみたいなビックリする程の前向きさでエンドします。
一方オリバーは、同窓会が終わって、自分がオリバーにした事を謝り(自覚はあった)、そういう意味ではダンは自分にとって特別だった事を告げ、また「売れない俳優」という日常に戻って行きます。

――という映画なので、ほんとにブロマンスを期待して見るとえらい目に会います。
ジャック・ブラックとジェームズ・マースデンの期待してないベットシーンに目が点。

別方向で不思議だったのは、図式的には(オリバー曰く)オリバーがダンを無理矢理押し倒しましたという図式らしいのですが、それを同窓会でオリバーがぶっちゃけても、ダンの方が笑い者にされるという現象。
そうなると、どう見てもダンの方が被害者なのに、何で皆オリバーにドン引きしないのやら。

これでダンが女性だったら、家庭の崩壊とかもっとドロドロになりそうですが、男性なのでそこまで家庭は深刻に崩壊せ――ずに物語は元鞘にあっさり戻ってハッピー・エンド。
そのために男性だったのかな?――ってこれ男だと余計家庭もめそうですが!
いや奥さんも子どもも、もっとショック受けて良いのよ。
強引過ぎませんか、良いのかコレ!?

何度も言いますが、ブロマンスではありませんでした(重要)

ブロマンスを期待せずに見たらそれなりに面白い映画かもしれませんが、タイトルのせいで損してる映画です。
日本の配給会社をお恨み下さい。



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